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2022年03月14日

福島原発千葉訴訟第二陣 控訴審 第9回口頭弁論期日のご報告

福島原発千葉訴訟第二陣(控訴審)は,福島第一原発事故によって千葉県に避難された6世帯17名の方々が,国と東京電力に対して損害賠償責任を求めている裁判です。第1審である千葉地方裁判所民事第5部は,平成31年3月14日,国の責任を否定する判決を言い渡しました。現在,福島原発千葉訴訟第二陣の審理は,千葉地裁から,東京高等裁判所第16民事部へ移っております。

 

福島原発千葉訴訟第二陣(控訴審)第9回口頭弁論期日が,令和4年3月9日(水)午後2時より,東京高等裁判所101号法廷にて,行われました。

 

 

傍聴席は,新型コロナウィルス感染対策防止のため,数に限りがあったものの,満席でした。

 

 第9回口頭弁論期日では,弁護団員1名が,一審原告の方々が今回提出した第27準備書面(2002年長期評価に対する保安院の対応)を,合計10分程度かけて,法廷で説明しました。以下は,弁護団員1名が法廷で説明した内容の概要を記載したものです。 

なお,東京電力と国は,いずれも意見陳述を行いませんでした。

 

第27準備書面について

・第27準備書面においては,主に,2002(平成14)年7月に「長期評価」が公表された後,一審被告国の規制当局である原子力安全・保安院(以下「保安院」という)が,一度は一審被告東電に対し「長期評価」に基づく津波の推計を指示したにもかかわらず,東電の抵抗に屈服し,「長期評価」を原子力施設の規制に取り入れないという対応をした事実経過について説明している。

・保安院が,福島第一原発の津波防護に関して「長期評価」を考慮する必要はないと判断した過程をみると,原子炉施設の安全規制の任にあたる規制庁の対応として目に余るずさんなものであったことが明らかである。東電側の不十分かつ不正確な口頭報告に対し,保安院の一係官が「分かりました」と即答している。すなわち,津波に対する原子炉の安全規制において「長期評価」を考慮しないという極めて重要な判断につき,保安院内部の権限を有するものが正規の決定をしたと評価できるプロセスもなく,なし崩し的に規制対象としないという対応がとられるに至ったものである。しかも,保安院は,「長期評価」を津波想定の基礎にしないという判断過程の記録も作成・保管しておらず,責任者である川原氏自身も記憶がなく,かろうじて東電担当者のメールで事実の一端を明らかにするしかない状況である。

・本件事故に関する仙台高裁判決が指摘するとおり,規制当局には,原子力事業者が利益を重視するあまり安全対策を怠らないよう「不断に注視しつつ,安全寄りの指導・規制をしていくことが期待されていた」といえる。ところが,保安院は,国自身が設置した地震研究調査推進本部が作成・公表した「長期評価」の見解について,その重要性を認識していたにもかかわらず,東電の抵抗に屈し,単に「反対していた学者一人に問い合わせただけ」の簡単かつ不正確な報告を「唯々諾々と受け入れることとなったものであり,規制当局に期待される役割を果たさなかったものと言わざるを得ない」。

 

上記弁護団員による説明を終えた後,裁判所は,一審原告2名の方々から法廷でお話を聞くこと(本人尋問)を決定しました。本人尋問の日程ですが,次回6月29日に1名,次々回9月28日にもう1名に決定しました。

 

次回,福島原発千葉訴訟第二陣(控訴審)第10回裁判は,令和4年6月29日(水)午後2時より,東京高等裁判所101号法廷にて,開かれる予定です。当日は,上記のとおり,一審原告1名の本人尋問が実施されます。

 

今回の控訴審第9回口頭弁論期日において,一審原告ら・東京電力・国の主張及び提出した証拠の概要は,以下の書面をご覧ください。

 

220309 控訴審第9回裁判のご報告

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