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2023年01月19日

福島原発千葉訴訟第二陣 控訴審 第12回口頭弁論期日のご報告

福島原発千葉訴訟第二陣(控訴審)は,福島第一原発事故によって千葉県に避難された6世帯17名の方々が,国と東京電力に対して損害賠償責任を求めている裁判です。第1審である千葉地方裁判所民事第5部は,平成31年3月14日,国の責任を否定する判決を言い渡しました。現在,福島原発千葉訴訟第二陣の審理は,千葉地裁から,東京高等裁判所第16民事部へ移っております。

 

福島原発千葉訴訟第二陣(控訴審)第12回口頭弁論期日が,令和5年1月18日(水)午前11時より,東京高等裁判所101号法廷にて,行われました。傍聴席は,10席程度空席でした。

 

まず,裁判長が交代したため(岩井伸晃裁判官から土田昭彦裁判官),弁論の更新手続が行われました。

 次に,第12回口頭弁論期日では,弁護団員1名が,今回提出した第29準備書面(2022年7月13日東電株主代表訴訟東京地裁判決の紹介と一審原告らの主張の補充)を,合計15分程度かけて,法廷で説明しました。以下は,弁護団員1名が法廷で説明した内容の概要を記載したものです。 

なお,東京電力と国は,いずれも意見陳述を行いませんでした。

 

第29準備書面の説明

○昨年7月13日に言い渡された東電株主代表訴訟の東京地裁判決の概要について

・取締役にとって対策を講ずることが義務付けられるだけの科学的知見と言うためには,津波予測に関する検討をする公的機関・会議体において,その分野における研究実績を相当程度有している研究者や専門家の相当数により,真摯な検討がされてその取りまとめが行われた場合等,一定のオーソライズがされた相応の科学的信頼性を有する知見である必要があり,かつそれで足りる。

・地震分野の全体を網羅した専門家が集まって議論し,ひとつの見解をまとめようとする場は,地震本部以外には存在しなかった。こうした事実等に照らせば,長期評価の見解は一研究者の論文等とは同視し得ないものであり,一定のオーソライズされた,相応の科学的信頼性を有する知見であったというべきである。

・津波評価技術が「福島県沖の日本海溝沿いの領域に大きな津波をもたらす波源の設定領域を設けておらず,当該領域において基準断層モデルの設定も行っていなかった」ことをもって,長期評価の信頼性を否定する根拠とすることはできないと結論づけています。

・東電株主代表訴訟判決は,地震本部が策定した長期評価の見解は科学的に十分信頼できる知見であることを認定しました。そして,長期評価に基づいた試算津波が襲来することを前提とした上で,東電が主要建屋や重要機器室の水密化工事等を速やかに実施していれば,本件事故のような重大事態に至ることを回避できた可能性は十分にあったと認めています。同判決が述べていることは,まさに本訴訟において一審原告らが主張している内容そのものであるといえます。

○一審原告らは,①一審被告国や東電は「津波評価技術」を根拠として「福島県沖では津波地震は発生しない」と主張するが,それは誤りであること,②結果回避可能性に関し,海外での原発被水事故およびその対策について,規制当局や事業者には周知の事実であったこと等,について補充して説明しています。

○最後に,昨年6月17日の最高裁判決における三浦裁判官の反対意見は,結果回避可能性,国の規制権限不行使と損害発生との因果関係をいずれも肯定しており,本件訴訟における一審原告の主張と一致していることを申し添えます。

 

 上記弁護団員による説明を終えた後,裁判所は,今後どのような主張書面や証拠を提出する予定か,当事者に確認しました。弁護団は,東電株主代表訴訟東京地裁判決で提出された証拠につき,提出する方針と述べました。

一方,東京電力は,昨年12月に公表された中間指針5次追補を踏まえた主張書面を2月17日までに提出する,と述べました。

この東京電力の主張は,新しい主張です。そのため,弁護団は,裁判所に対し,上記新しい主張に対する反論をするための時間を踏まえると,予定通り4月19日に結審することが難しいのでは,と意見しました。

もっとも,裁判所は,東京電力から提出される上記新しい主張書面と,これに対する弁護団の反論状況を踏まえ4月19日以降に新たに期日を指定するかどうか判断する,との回答でした。

 

次回,福島原発千葉訴訟第二陣(控訴審)第13回裁判は,令和5年4月19日(水)午後2時より,東京高等裁判所101号法廷にて,開かれる予定です。上記のとおり,第13回裁判で結審する方針で進んでいるものの,東京電力による新たな主張次第では,結審されない可能性もございます。

 

今回の控訴審第12回口頭弁論期日において,一審原告ら・東京電力・国の主張及び提出した証拠の概要は,以下の書面をご覧ください。

 

230118 控訴審第12回裁判のご報告

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