トップ>原発被害者集団訴訟第21回裁判のご報告 ~ 結審日は来年1月31日に決定 ~
2016年06月21日
原発被害者集団訴訟とは,18世帯47名の原発被害者(以下「原告」といいます。)の方々が,東京電力と国に対し,原発事故による損害賠償を求めている裁判です。
原発被害者集団訴訟第21回裁判が,平成28年6月10日(金)午後2時より,千葉地方裁判所601号法廷にて,行われました。
傍聴席は,ほぼ満席でした。
本日の裁判では,まず,当弁護団員より,提出した第46,47準備書面の概要について,合計15分程度かけて,法廷にて口頭で説明いたしました。
次に,原告番号1-2の原告の方が,法廷で,意見陳述をされました。意見陳述の概要は,以下のとおりです。
①福島県富岡町で余生をのんびり過ごそうと思っていたのに,原発事故で全て狂ってしまったこと
②夫の仕事上,1月に10日ほど千葉に泊まり込み,千葉県に住民票を移していたが,東京電力より,「あなたたちは避難者ではない」,避難者ではないから補償金を支払えないと言われ,今まで支払った分を「過誤払い」であると言われたこと
③原発事故による不自由な生活により,夫婦ともに体調を崩し,入院していたこと
④一日も早く,落ち着いた生活を送ることができる日が来て欲しい,それだけを願っていること
最後に,原告番号10-2の原告の方が,車椅子に乗ったまま,法廷で,意見陳述をされました。意見陳述の概要は,以下のとおりです。
①原発事故により,突然放射能の恐怖の中に身を置かれ,目に見えない放射能の被ばくから幼い子どもたちを守らなければならない状態に陥ったこと
②避難生活の影響で,高血圧や不眠症の症状が悪化し,足の障害も重くなって自力歩行が難しくなり,外出時には車椅子が必ず必要になったこと
③避難前の住民の6割が帰らないとアンケートに回答している中,国は避難区域指定を解除しようとしており,
大変理不尽であること
④この裁判で,私たちの健康でなにごともなく暮らしていけるという当たり前の権利を認めてほしいこと
なお,被告国は,相変わらず,原告ご本人の意見陳述を実施することについて,不適切であると反対の意見を述べていました。
しかし,裁判所は,被告国の反対意見を受け入れず,原告ご本人2名の意見陳述を実施することを許可しました。
601号法廷での裁判終了後,別室で,今後の審理の進め方について話し合う,進行協議が開かれました。
1時間ほどの進行協議を経て,本訴訟は,以下のスケジュールで進行し,来年1月31日に審理を終えることが決定しました。
平成28年9月13日(火)午前10時15分@201号法廷
同年11月15日(火)午前10時30分@601号法廷
平成29年1月31日(火)午後1時45分@201号法廷
そのため,本訴訟に対する裁判所の判断(=判決)は,来年4月以降になるものと予想されます。
次回第22回裁判は,平成28年9月13日(火)午前10時15分より,201号法廷で行われます。
小高区・双葉町を始めとした原告の方々の避難前の居住地等を撮影したDVDが,上映される予定です。
傍聴席は抽選となる可能性がございます。傍聴をご希望の方は,お早めに,千葉地方裁判所1階ロビーへお越しください。
なお,第21回裁判において,原告ら・被告東京電力・被告国の主張及び提出した証拠の概要は,以下の報告集会配布書面をご覧ください。