2016年07月13日
原発被害者集団訴訟第2陣とは,いわゆる区域外避難者と呼ばれている6世帯20名の原発被害者が,東京電力と国に対し,原発事故による損害賠償を求めている裁判です。
既に21回審理を行っている「原発被害者集団訴訟」とは,別の裁判です。
原発被害者集団訴訟第2陣第2回裁判が,平成28年6月30日(木)午後3時より,千葉地方裁判所601号法廷にて,行われました。
傍聴席は,概ね満席でした。
第2回裁判では,まず,当弁護団員が,既に提出した証拠のうち特に重要な
①「長期評価(正式名称は「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」。平成14年7月31日に地震調査研究推進本部により発表)」
②「溢水勉強会(平成18年に,保安院および原子力安全基盤機構(JNES)が設置)」
の要旨について説明しました。
そして,提出した証拠を踏まえれば,被告国が福島第一原発の敷地高さを超える津波が襲来する可能性があること,その津波によって福島第一原発の電源が喪失する可能性について十分に認識していたことが明らかであると,意見しました。
次に,原告番号4番さんが,
①自宅近くの放射線量は高く,目がチカチカするような感じがして,不安な毎日を過ごしていたこと
②二転三転する原発事故に関する政府の説明を信用できず,テレビでチェルノブイリ事故による甲状腺癌の発症の番組を見て,一緒に暮らしている娘が甲状腺癌になるのではないかと強く不安を感じ,避難を決意したこと
③避難生活で住居を転々としなければならなかったことは,精神的につらかったこと
④避難前住居は福島市内でも放射線量が高いところなのに,国が勝手に決めた避難区域の外であれば,現実に避難していてもほとんど補償を受けられないことが納得できないこと
等を法廷で意見されました。
原告番号4番さんが意見陳述をされた際,法廷で傍聴している方々の中には,涙を流している方もいらっしゃいました
。
次回第3回裁判は,平成28年8月29日(月)午前10時半より,601号法廷で行われます。
傍聴席は抽選となる可能性がございます。傍聴をご希望の方は,お早めに,千葉地方裁判所1階ロビーへお越しください。
なお,今回の裁判において,原告ら・被告東京電力・被告国の主張及び提出した証拠の概要は,以下の報告集会配布書面をご覧ください。