トップ>福島原発千葉訴訟第1陣 控訴審 第4回口頭弁論期日のご報告
2019年08月29日
福島原発千葉訴訟第1陣(控訴審)は,福島第一原発事故によって千葉県に避難された17世帯43名の方々が,国と東京電力に対して損害賠償責任を求めている裁判です。第1審である千葉地方裁判所民事第3部は,平成29年9月22日,国の責任を否定する判決を言い渡しました。
福島原発千葉訴訟第1陣(控訴審)第4回口頭弁論期日が,令和元年7月19日(金)午前9時40分より,東京高等裁判所101号法廷にて,行われました。
傍聴席は,満席でした。
第4回口頭弁論期日では,午前中(9時40分~11時40分)に一審原告3名の方が,午後(13時10分~14時55分,15時15分~16時20分)に一審原告5名の方が,法廷でお話になりました。一審原告の方々が法廷でお話しした内容の一部を,以下のとおり抜粋して,ご報告いたします。
【一審原告10番】
・復興もしていないのに,借り上げ住宅が打ち切られた。
・帰りたいけど帰れない,小高区は人口も減少している。国が勝手に避難指示区域と線引きした。
【一審原告6番】
・浪江町で生活を送ろうと,浪江町に農地を購入し,千葉と浪江町を往復する生活をし,10年掛けて準備してきた。思い描いていたライフプランが,今回の原発事故により,失われた。
・それでも,現在は,浪江見守隊としてパトロールをしたり,川内村で農地付の家を借りている。
【一審原告1番】
・原発事故後,体調が悪化し,膵臓の手術をする等頻繁に入院を繰り返すようになった。経済的にも困窮している。
・富岡町の自宅は,解体を余儀なくされた。本当につらい。
【一審原告16番】
・6月24日の現地進行協議,全て同行した。帰還困難区域に向かうまでの道や小学校,事前のリハーサルでは草が生い茂っていたのに,6月24日の本番では刈り取られていた。
・浪江町で農のある暮らしを送ることを,夢見ていた。今回の原発事故により,その夢を叶えることはできなくなった。
【一審原告17番】
・6月24日の現地進行協議において,裁判官に,帰還困難区域内の自宅を見てもらった。自宅の和室は陥没し,自宅にはハクビシンが住み着いていた。
・6月24日の現地進行協議で立ち寄った浪江町内の小学校は,閉鎖され,再開の見込みはない。
【一審原告8番】
・子どもの尿からセシウムが検出されたこと等から,千葉へ避難した。
・現在は帰還しているものの,子どもの体には未だ放射能の影響がある。自宅裏山は未だ除染されていない。本当はもっと避難したかった,自主避難と言われるのは心外である。
【一審原告9番】
・両親は双葉町に眠っているが,放射能のことを踏まえ,双葉町に納骨して良いものか,葛藤があった。
・双葉町は,真昼にイノシシが現れる等荒れ放題である。若い人は戻っておらず,人が住む町ではない。
【一審原告15番】
・今回の原発事故後,耳鳴りが続く。避難により環境が激変したことにより,子どもは南相馬市に戻りたいと述べている。
・6月24日の現地進行協議の際,小高駅近くの商店街・病院を,裁判官に見てもらった。小さな町であり,今回の事故の影響で,現在は人はほとんど住んでいない。
次回,福島原発千葉訴訟第1陣(控訴審)第5回裁判は,令和元年10月11日(金)午後2時より,東京高等裁判所101号法廷にて,開かれる予定です。
なお,今回の控訴審第4回口頭弁論期日において,一審原告ら・東京電力・国の主張及び提出した証拠の概要は,以下の報告集会配布書面をご覧ください。