トップ>集団訴訟第2陣 第10回裁判(原告本人尋問)のご報告
2017年10月27日
原発被害者集団訴訟第2陣とは,いわゆる区域外避難者と呼ばれている6世帯20名(※裁判を提起した時点)の原発被害者が,東京電力と国に対し,原発事故による損害賠償を求めている裁判です。
本年9月22日に判決が言い渡され,東京高等裁判所へ控訴した「原発被害者集団訴訟第1陣」とは,別の裁判です。
原発被害者集団訴訟第2陣第10回裁判が,平成29年9月21日(木)午前10時半より,千葉地方裁判所601号法廷にて,行われました。
傍聴席は,数名分,空席がありました。
午前中は,原告1番の方が,法廷でお話しされました。
「(避難前住居の)汚染状況からとても住めない,好きで避難しているわけではない」「汚染された水を飲めますか,汚染された空気を吸えますか,子育てできますか,そこに住んでいないと分かりません。」「何の心配もなく,帰りたい」と,現在の切実な想いを,裁判所に訴えてくださいました。
東京電力代理人より,テレビ等で放射線に関する科学者の見解を聞いたことがあるか尋ねられた際も,「住むところは科学者が決めるものではない,自分で決めるもの。」と,回答していました。
午後は,原告6番の方が,法廷でお話になりました。
「事故後,(放射線を取り除くため)何から何まで洗う生活を送り,限界だった」「好きで出たわけではない,出た先に幸せがあるわけじゃない」「(区域内外という)線を引いたところで人は住んでいない。国には,線ではなく,1人1人の事情を考えてほしい」と,正にこの裁判が目指すべき内容を,裁判所に訴えてくださいました。
次回,原発被害者集団訴訟第2陣第11回裁判は,平成29年11月9日(木)午前10時より,今回と同じ千葉地方裁判所601号法廷にて開かれます。
次回は,原告番号2~5番,合計4名の原告の方々の本人尋問が実施されます。10時~16時半頃まで,お昼休憩を挟んだ上で,法廷で,各1時間程度,原告の方々がなぜ避難を余儀なくされたのか,どのような情報に基づき帰還できないと判断されたのか,お話しします。
なお,今回の第10回裁判において,原告ら・被告東京電力・被告国の主張及び提出した証拠の概要は,以下の報告集会配布書面をご覧ください。