トップ>集団訴訟第2陣第11回裁判(第2回原告本人尋問)のご報告
2017年11月27日
原発被害者集団訴訟第2陣とは,いわゆる区域外避難者と呼ばれている6世帯20名(※裁判を提起した時点)の原発被害者が,東京電力と国に対し,原発事故による損害賠償を求めている裁判です。
本年9月22日に判決が言い渡され,東京高等裁判所へ控訴した「原発被害者集団訴訟第1陣」とは,別の裁判です。
原発被害者集団訴訟第2陣第11回裁判が,平成29年11月9日(木)午前10時より,千葉地方裁判所601号法廷にて,行われました。
傍聴席は,数名分,空席がありました。
午前中は,原告2番と5番の方が,法廷でお話しされました。午後は,原告3番の方が,法廷でお話ししました。原告の方々が法廷でお話しした内容の一部を,以下のとおり抜粋して,ご報告いたします。
【原告2番】
「避難前居住地域では,‘何時間以上干してはいけない’と洗濯時間を指定された。」「小学校に通う子どもは,放射線計を首にかけていた。」
「ホットスポットが32箇所あり,住めない。」「町内会の半数が避難を続けていた。」
「国や東電が人の住めない土地を作った。」
【原告5番】
「避難後,子どもは部屋に閉じこもり,好きだったサッカーもやらなくなり,避難前住居に帰りたいと話すようになった。」
「子どもが帰りたがっており,避難を継続することが子どものためなのか,悩んだ。けれども,子どもの健康・放射線の影響を考えて,避難継続を決断した。」「復興しているから良いという話ではない。」
「事故前後の避難前居住地域を,実際に目でみないと分からない。本当に国や東電は状況を分かっているのか。国や東電の都合で生活を変えられない。私たちは,国らのペットではない。」
【原告3番】
「戻って普通の暮らしがしたい。けれど,放射線の危険がある。事故後,避難前居住地域に戻ったら,肺が苦しくなり,今までにない体調不良となった。」「友人も,同様に戻った際,体調不良を訴えていた。」
「行政が発表する放射線量の数字は,実際に測定した場合の数字と全く違う。こんなとこには住めない。」
「避難した人と避難しなかった人との間に溝ができ,以前の関係に戻れない。」「裁判所には,全てを奪われた私たちの想いを理解してもらいたい。」
次回,原発被害者集団訴訟第2陣第12回裁判は,平成30年1月18日(木)午前10時半より,今回と同じ千葉地方裁判所601号法廷にて開かれます。
次回は,諸事情により11月9日にお話しできなかった原告番号4番の本人尋問が実施されます。午前中に終わる見込みです。
なお,今回の第11回裁判において,原告ら・被告東京電力・被告国の主張及び提出した証拠の概要は,以下の報告集会配布書面をご覧ください。